こんにちは!

今回のブログはマニアックレベルがかなりお高め、

機械に興味がない方はごめんなさい

機械に興味がある方、ぞくぞくする内容になってますぞー

 

では MBブログすたーと!!!

 

車のヒーターがきかない というご用命

お客様のご用命は「最近ヒーターの効きが弱いのよねー」、でした。

きっとこの時期に寒い思いをされたことでしょう。

実際にクルマを点検してみると

かすかに温かい風はくるものの、寒くて乗ってられないレベル。

点検の結果

・冷却水の循環がうまくいってない

ということがわかりました。そもそもヒーターの仕組みはあったかい冷却水を室内にひきこんでその冷却水に風をあてて温風にかえているんです。循環がうまくいかないとヒーターもきかないということになります。

冷却水の循環にかかわる大きなバルブがクルマにはあります

「サーモスタット」っていう部品です。

通常であればサーモスタット不良を疑います。自分もこの時点ではそう思っていました。

しかし、エンジン側では循環してるのにもかかわらず

ヒーター側にはまったく循環していません

つまりこれはサーモスタットの不良ではなく

・ヒーターコアのつまり

によるものだと判断しました。

ヒーターコアに空気を送ろうとしても全然入っていきません。

クルマは全然古くありません。それでも詰まっちゃうんですねー。

交換の必要がないクーラントのお車は(最新のクルマはこうなんですよー)

水道水と非常に相性が悪く、サブタンクの補充に水道水をいれて使用すると

冷却水の循環のスピードが遅いお客様(あまり乗らない、温度は常に固定)だと

カルキが細い通路に詰まっちゃうんですね。

いやーめでたしめでたし

今回もいい診断をしたー

どれ、ヒーターコアの交換のお見積りをしてっと

ヒーターコアの交換のお見積りはだいたい12万円くらいにはなります。

たしかに高いですよね。

その前に

なんとかならないか……

 

 

コストをかけないで修理するということもMBモータースの得意技

 

お客様には

「できないと言いたくないので最善をつくしますが」

「もし改善がみられなかったらヒーターコアの交換でおねがいします」

とご説明をし、

 

ヒーターコアの洗浄を試みることに

ちなみにクルマのヒーターコアを洗浄するなんて、聞いたことも無いですし前例もありません。

当然インターネットで調べてもでてきません。

たぶん、私がこの分野でインターネットにアップする一人者だと思います。

なので、日本全国にヒーターコアのつまりが原因で困っている方がいればお役に立ちたいなぁ

 

親身になってアドバイスをくれた技術者のSくん、いつも困ったときだけ相談させてもらうIくん

君たちのおかげで成功しました。

 

さて、

 

そもそもつまりの原因は

おそらくカルキです。

水道水のカルシウム成分ですね、これさえ取り除くことができれば循環を回復させられるものと考えます。

 

どうやってカルキを取り除くか?

 

MBらしい発想ですが

 

「ポット洗浄中」を使う

 

ポットのカルキをきれいにする商品ですねご存知ですか?

 

これをどうにかしてヒーターコアにぶっこめればカルキは取り除けるのでは?

 

もうここまで発想できたら、

ホームセンターに駆け込み、頭の中の設計図(たいしたものじゃないけど)どおりに

材料を買います

 

バスポンプ

ホース

バケツ

 

これらをクルマに装着します

 

こんな感じです。

このバケツのお湯にポット洗浄中をぶちこみます

 

すると……

 

でるわでるわ つまりの成分がぼろぼろでてきます!

この循環を2,3時間続けて、さいごに真水を循環させてポット洗浄中の成分を洗い流して

もとどおり車を修復して、

いざヒーターはきくかな?

おー!きくきく!あったかーい!

お客様は大喜び!

お客様のお孫さんも大喜び!

お見積りの10分の1以下の費用で修理を完了させることができました。

 

以下は天才の人が考えたカルキが溶ける原理(転載

 

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もともと水道水に溶けてる炭酸水素カルシウムは、

Ca(HCO3)2  → Ca2+  + 2HCO3-

のように電離して解けている。

ところが、このような水を煮沸すると炭酸水素イオン HCO3- が分解して、

2HCO3- → CO3 2-  + H2O + CO2

となり

Ca(HCO3)2  →  CaCO3↓  +  H2O + CO2

という反応が起こり、水に溶けにくい石灰石の主成分である炭酸カルシウムCaCO3
ができる

ポット洗浄中(クエン酸)を入れることで

これらが反応してクエン酸カルシウムCa3(C6H5O7)2と
クエン酸水素カルシウムCaH(C6H5O7)になる。

酸+塩基→塩(えん)+水

となる

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よくわからにゃーい

けど、ヒーター直ったー!

まさかこの転載元のかたも自動車のヒーターコア洗浄に使われるものとは思いもしないだろうなぁ

まとめ

 

僕らしい修理の方法で

お客様のご満足をいただけて

ご家族様にも喜んでいただいて

本当に幸せ

いつもうまくいくとは限らないけど(失敗してるほうがはるかに多い)

どうにかこうにか

お客様のお役にたてた。

 

本当に2017年も応援してくださった読者の方々

ありがとうございました

超絶マニアックな内容のブログとなってしまいましたが、

2018年もどうぞよろしくお願いいたします。

専門用語がとても多くわかりづらい記事になってしまったことをお詫びいたします。

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

いいね!って思っていただいたら

ボタンポチーしてもらえると嬉しいです。

まじで嬉しいです。

 

 

 

2020/02/13 加筆

三年前に書いたこのブログ、

実は全国から一番問い合わせが多い記事になりました

「こういう症状なんだが改善できるか?」

「山形まで持ち込めば修理できるか?」

など たくさんのお問い合わせいただきありがたい限りです。

ですが、

・確実な診断ができているか?他に原因がないか?

・改善できるレベルの詰まりかという診断

これができていないと作業にとりかかる意味がありません。

お問い合わせいただいた方にもお伝えしていますが

改善が見られずヒーターコア交換した事例の方が改善した事例より多いです

お問い合わせいただく前に上記のことをふまえた上でお問い合わせいただければ幸いです。

 

ちょっと冷たいこと言っちゃったけど

でも、

でもさ、

そんなこと言っても

コメント欄にあるように

「ブログの通りにやったら改善しました!ありがとうございました!」

とか言われると嬉しいじゃん!素直に嬉しいわ!

もうですね、感動レベル(>_<)

誰かの役に立つ情報を発信することが

このブログをやってる意味だもの

直るかもしんないし、直んないかもしんないけど

じゃんじゃんやってみてください!